ボンカレーWEB動画とCMについて

少し前ですが、ボンカレーが広告費を半分以下にしたのに売上が増えている事について日経新聞で特集されていた。テレビCMを少なくしてWEB動画で長尺CMを拡散した事が勝因であるような話がありましたので、今回は少しテレビCMとWEB動画についてを記載したいと思います。  

先に記事をリンクしますね(今回のコラムはリンクの下です)

日経新聞の記事によるとボンカレーが2013年に45周年を迎えて以降、テレビCMから撤退している。広告宣伝費を実に6割減らしたが、それでも売り上げは微増で推移しているという。CM撤退はマイナスに作用せず、代わって取り組んだ長尺の動画広告が、ターゲットに据えたワーキングマザー(ワーママ)に訴求した格好だそうです。


これを受けて、テレビCMの衰退、電通など代理店が震撼みたいにネット上には記事がありましたが、実際どう考えたらいいのでしょうか?


私の結論的には、テレビとWEB動画は全く別物であるが、それぞれリンクしていて深く入り組んだもので、WEBは人の心理をついていくものであり、TVはイメージや名前を覚えさせる、信用を得るものであると考えます。つまり、安易にTVCMに進出してもそれなりには効果があるが、安易なWEB動画は鳴かず飛ばずになりやすい。ユーチューバーみたいな動画ならまだしも、企業がお金をかけて進出するのであれば、相当な戦略立案も必要になります。


今回、成功の直接的要因は、CMと違ってWEB動画は尺(時間の制限)がない事が1つの大きな要因です。テレビCMですと、15秒・30秒・60秒などの種類があります(通販では120秒や29分などもありますが)テレビ番組ですら30分番組、1時間番組、2時間特番などすべて時間の制限である 「尺」 があります。WEBは当然ですが時間の制限はありませんのでこれは大きな差である事は確かです。


しかし間接的要因としては、45周年を迎えたボンカレーは、今までのテレビCMの効果もあり、ほとんどの日本人は知っている名前です。つまり、すでにブランドの確立がされており認知度も上がっている中で、行われたものであるからこそ、元のイメージがしみついている現状であるからこそ、イメージと違う事をやった時の意外性があり、結果が出たものであります。


WEB動画やクラウドファンディングなどでも同じなのですが、登録をする、アップロードすると、何かが起こり爆発してすごい結果が出ると思っている人が多いですが、そんなうまい話はありません。WEB動画やクラウドファンディングでは、その内容をいかにたくさんの人に拡散してもらえるか?話題になるか?口コミ的に広がっていくか?がポイントになります。


テレビCMでは、そのエリアのその時間のたまたま見てた視聴者への訴求であり、マスマーケティングと言われるイメージそのままです。WEB動画はたくさんの小さな入り口が出来てくるわけです。この動画おもしろい!!!って、フェイスブックで50人の方がつぶやいたとして、それぞれに友達が200人いたら、200人×50人で1万人に訴求できるわけです。


しかもただ流れているテレビと違い、自分の友人や関係のある人の発言なので、共感されやすいです。そこから、接触した1万人がまたシェアや紹介していけば、無限に広がっていくという仕組みです。たまにフォロワー数十万人の人などにシェアしてもらえたら一気に広がるわけです。国民怒りの声の取り組みでも、堀江貴文さんや津田大介さんが拡散してくれたのは一気に広がる要因でした。

そのためにも、動画の中身が重要です。

自己満足のCMみたいなものを流しても、拡散したい!!おもしろい!!ってなりにくいですよね。。意外性、参加型、話題性、思わず笑ってしまう、泣ける、、などの要因は必須になります。


私が取り組んだ中では、スーツ姿のガチサラリーマンが、なんの笑いもなく本気でフットサルをスーツのままプレーする期間限定の動画はかなり拡散されました。しかもその中に1名タレントが入っていたことが後々ユーザーが見つけて、さらに拡散するという仕掛けは、顧客の紳士服メーカーのPRで私が考えた手法です。

その他、KARAがCMをしている商品で、その商品を買ってダンスをして動画投稿して優勝者には賞金を!は、参加型です。参考にしたのは昔アメリカコカコーラが行った企画で、コーラを使って面白動画を投稿してハッシュタグつけろ!みたいな企画で、これはコカコーラを購入して動画撮影することによるサンプリングと同じ効果が期待できる直接的効果や、動画の拡散での2次を狙ったもので、確か2005年くらいだったと思うのでさすがにアメリカはPR最先端です。


しかし、狙いに狙った動画が当たるとも限らず・・これがWEB動画のおもしろいところです。テレビCMは信用度も上がりますし、最低限の効果は望めますが、たくさんの金額でたくさんの時間に放送している大手には中々勝つことは難しいですがWEBはやる気のない映像やアイフォンで撮った映像が戦略的な企業動画を超える何てことはよくあることです。

実は、私はそれなりに高額なコンサルフィーをいただき企業の動画プロモーションを立案しますが、うまくいったものもあれば、正直イマイチのものもあります。そのくらい難しいものです。


私の娘は今は高校生ですが、中1当時に彼女がアップした動画は、私は当日見に行くまで一切口を出してなかったし、家族で共有するために動画を撮ってたようで手ぶれでひどい動画ですが、130万回も再生されていて、ちょっとした有名人になっています(今は彼女は15歳起業家として会社を作ってますが・・)正直私にも理解できない世界観です。


何が言いたいかといえば、WEB動画は誰にでもチャンスはあると結論出しになります。最初に話した通り、ただ作って出せばいいわけではないので、戦略立案やまさに消費行動心理学を使ったりすることで上げることも考えないといけませんが、少なくともテレビCMよりはサクセスする可能性を秘めています。しかしテレビCMにより、信用度アップや一定数計算できる認知度アップは中々魅力的ではあります。


うちの会社としては、ローカルテレビ + WEB動画 の取り組みもしています。フジテレビ全国で出せばとんでもない金額ですが、例えば千葉県のチバテレのエリア内世帯数・人口は 710万世帯・ 1700万人ですが、大手フリーペーパーの広告コストと大きく変わらないコストで出せますので、俗に言う費用対効果が非常に高いです。テレビで15秒のCMを流し認知度や信用、ブランドを高めて、ノーカット版や舞台裏、ふざけた企画(スピンオフ的)をWEBで流したりするなどのモデルは非常に面白いと思います。


今後のWEBマーケティングのの展開が楽しみです。

行列請負人の思考回路がわかるコラム

行列請負人が、TV業界や芸能界の裏側や政治、経済、著名人の人物像など気になるニュースソースを元に記載していきます。